CISの応用 壁面クラック変化検知器 Vol.1

2021.10.26 応用製品

高速道路、ビル、橋、トンネル等、私たちの身の回りにはコンクリート構造物が多く存在します。どれも生活に欠かせないものですが、長期間使用するとコンクリートは劣化し、ひび割れが発生して時間とともに拡大していきます。そのためひび割れの状態を把握し、適切な時期にメンテナンスを行う必要があります。しかし、現在主に行われているのは目視やカメラを使った検査で、膨大な時間と手間がかかってしまいます。そこで私たちは、これまでに培ったCISと光源の技術を活用し、コンクリートに発生したひび割れの状態変化を無人で、且つ定期的に測定できるモジュール、壁面クラック変化検知器を開発しました。

対象のひび割れを正確に検査できる構造

壁面クラック変化検知器は、コンクリートの表面にプレートを設置し、マグネットでプレートと本体を固定して使用します。(図1)発生したひび割れに赤外光を当て、反射光をCISで読み取ることでひび割れの幅や大まかな深さも判別できます。0.021mm以上であればひび割れ幅の絶対値を検知することができ、更に3本のCISで読み取るため、位置によるひび割れ状態の差などより詳細な情報を得ることができます。(図2)コンクリートは気温や湿度に影響され伸縮しますが、検知器の内部に温湿度センサーを組み込んでいるためひび割れの状態が外部の環境によるものかを判断できます。センサー部の周りは光を遮る構造で、外部の光が計測に影響することはありません。(図3)

図1

 

図2

 

図3

無線を使ったデータ管理システム

コンクリートのひび割れの状態を表す変化量データは無線で管理センターに送ることができます。無線はLPWAを使用し、ひび割れが指定した値を超えると、アラームとしてスマホや指定したPCに送られるため定期的な現地での調査が不要になります。無線データは変化量のみを送るため、省エネルギーを実現しました。

コンパクトで優れた性能をもつ新しいモジュール

壁面クラック変化検知器の特徴はコンパクトさだけではありません。軽量なのはもちろん、防塵防滴構造なので雨や風にも強く、マグネットでの固定のため着脱が可能でバッテリーを交換すれば繰り返し使用可能です。プレートと本体との位置決め機構により、元の位置への取り付けが可能です。またケーブルによる落下防止など、使いやすさにこだわって開発しました。製品の紹介動画も用意しています。こちらからぜひご覧ください。

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