CISの活躍 リチウムイオン電池の金属欠陥検出検査 – ラインカメラのように利用できるCIS -

2024.05.22 市場紹介

2021年に”CISの活躍 二次電池フィルム検査用 ”というコラム内でWHECのCISとHLUシリーズの光源がリチウムイオン電池検査におけるコーティング工程、スリット工程に応用できることをご紹介しました。CISは「オールインワンソリューション」として、従来のラインカメラ、産業用レンズ、および光源を組み合わせた検査ユニットと比較して、コンパクトなサイズ、歪みのない画像、簡単な設置や設定という利点があります。そのためスペースに制約のあるバッテリー生産ラインで広く使用されています。

WHECのCISと光源は過去3年以上にわたり、電池製造時のノッチングやラミネーション/スタッキングなどの工程で導入されてきました。加えて、リチウムイオン電池の原材料である金属フィルムやセパレーターフィルムの表面検査においても上記のCIS特有の利点を生かし、システムインテグレーター(SI)に独自の価値をもたらしています。

リチウムイオン電池コーティング工程の発展

SI企業向けの検査システムへの導入性向上のため、WHECはエリア照射光源(SHLUシリーズ)を導入しました。これにより、光源の輝度が向上し照射範囲が拡大されました。この光源を利用することでSI企業に対してより高品質の画像が提供されるだけでなく、設置および稼働開始までの時間も短縮されます。

バッテリー工場からの高速化、大型・大幅化、高解像度化の要求に応えるため、WHECは次世代のCoaXPressインターフェースを備えたCISの開発を開始しました。これにより、システムの設置時に発生するカメラリンクケーブルの問題を解決することができます。次世代CoaXPress対応の新しいCISは解像度が~1200dpi、ライン周波数が最大93kHz、搬送速度が~118m/分です。新製品の幅は主なバッテリーフィルムの幅(800mm、1500mm、1700mm)に対応しており、他の幅にも柔軟に対応可能です。

金属フィルム、セパレーターの表面検査

リチウムイオン電池の主要な構成要素である金属フィルムとセパレーターの表面欠陥検出でも、CISを使用した外観検査装置の導入工場から高い評価を受けています。金属フィルムの表面は光沢があり、反射の強い素材です。WHECはこの素材の検出方法について豊富な経験を積み、反射素材の表面を検出するためのソリューションを開発しました。この製品は金属フィルム表面の小さな欠陥を鮮明に捉えることができ、ダイヤフラム素材の傷や穴によってひきおこされる高リスクの欠陥を解決。お客様の評価に合格し、現在生産ラインに導入されています。

セパレーター素材の場合にも、傷や穴あきが高リスクの欠陥です。WHECはお客様と協力してさまざまな光源を用いてCISのテストを行い、最終的にバックライトとサイドライトを組み合わせる方法にたどり着きました。バックライトとサイドライトを使用することで得られる2枚の画像により、傷や穴を効果的に検出することができます。また、セパレーター基材フィルムの幅は6メートルを超えることがあり、複数のラインカメラを使用する場合システムの設置に非常に多くの時間と労力がかかります。このような超広幅ウェブの需要に対応するため、WHECはCISの読取最大幅を2メートルから6メートルに拡大する計画を立てており、現在は3メートルのCISサンプルを提供可能です。

6月18-20日にドイツのシュトゥットガルトで開催されるThe Battery Show Europeに出展します。コーティング工程後の電池フィルムをCISとエリア(広域)照射光源でスキャンするデモ機、メタルフィルムをCISと集光光源でスキャンするデモ機、セパレーターをCISと両側光源でスキャンするデモ機を展示し、実際の読取画像をご覧いただけます。ブースへのご訪問、お待ちしております!(ブース番号:hall 4-C90)