WHECの水耕栽培と栽培キット
CISだけではないWHECの取り組み
水耕栽培とは、土壌を必要とせず水と肥料だけで野菜を栽培する方法です。SDGsへの取り組みがますます求められるなか、水耕栽培も現代の農業に革新をもたらす可能性を秘めています。水耕栽培の利点は多岐にわたりますが、主に輪作障害がなく何度でも栽培できる,クリーンな環境で安心安全な野菜を提供できる,農作業を大幅に軽減できるなどがあります。WHECでは2010年より水耕栽培に取り組んでおり、家庭用栽培キット、学校や企業用栽培キットを開発・製造しています。
WHEC水耕栽培の歴史
水耕栽培は光源にLEDを用いると,天候に左右されず,安定な収穫が見込めます。WHECはCISで培ったLED光源とその制御技術を水耕栽培に活かせるのではないかと考え,2010年に水耕栽培の開発をスタートしました。全く初めての分野でしたので大学に協力をお願いし,水耕栽培技術の習得に努めました。2015年に開発センターを宝塚に移転しましたが,それに合わせて水耕栽培実験室を設置。ここに自社開発のLED光源ユニットを並べ,波長の違い,点灯方式の違いなどが生育に与える影響などの実験を行いました。また,レタスなどの葉物以外にトマト,キュウリ,メロン、イチゴなどの果菜類の栽培にも取り組み,ここで得られた技術をもとに,中国本社にLED植物工場を設置。徐々に拡充し,現在は640㎡の屋内栽培スペースと220㎡のハウスで様々な野菜や果物を栽培しています。本社ではセロリ、カボチャ、ニラなどの栽培実績があり、現在は季節に応じてほうれん草やイチゴ、1年を通してレタスの栽培をおこなっています。収穫した野菜は,社員食堂での提供以外に週に一度、中国国内に向けて葉物野菜とトマトのインターネット販売も行っています。どちらも好評で、累計で葉物野菜8000袋以上、トマト940袋以上購入されています。
家庭用栽培キットと業務用栽培キット
WHECでは2018年より誰でも簡単に水耕栽培ができるよう、蓄積したノウハウを生かして栽培装置のキット化に取り組み、家庭用栽培キット,業務用栽培キットを製造・販売しています。家庭用栽培キットはレタスやトマト、メロンなどをご自宅で栽培いただけます。サイズなどの製品仕様はこちら(リンク埋め込み)をご覧ください。より大規模な栽培が可能な業務用栽培キットは、学校や企業での導入に適しています。製品仕様はこちら(リンク埋め込み)をご覧ください。栽培キットは野菜や果物の成長過程を観察することができ、教育、食育にも適しています。中国国内では小学校と中学校向けに家庭用栽培キット17台、業務用栽培キット13台の販売実績があり、土を使わないため栽培しやすく観察にも最適であると好評を得ています。各栽培キットにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問合せください。
WHEC水耕栽培のこれから
水耕栽培の様々な取り組みを紹介してきましたが,栽培できる品種を広げる為,現在はダイコン,ニンジンなどの根菜類の栽培も始めています。また、水耕栽培の作業負担を軽減するため,2020年には収穫ロボットの開発に取り組み,本社植物工場で収穫デモを実施しています。よりエコに栽培ができるよう、必要な水量を減らす為のシート栽培にも取組むなど、積極的に水耕栽培の新たな可能性を見出しています。CISを主力製品とするWHECですが、CIS技術を応用して新たな分野にチャレンジしています。WHECのこれからにぜひご期待ください。