マシンビジョン業界の新たな選択肢
~リチウムイオン電池検査 Vol.1~

2022.08.23 市場紹介

2022年7月7日、中国の大手業界サイト「高工リチウム」にWHECの記事が掲載されました。
WHECの歴史や中国マシンビジョン業界の展望などが記されています。(以下日本語訳)

1. 新プロセス、新技術がリチウム電池産業に新たな変化を運んでくる

リチウム電池が大規模に製造される時代を迎え、新プロセスと新技術の「戦火」が工程設備からコア部分にまで広がっている。リチウム電池メーカーの品質改善、不良率の低減、生産効率アップなどの需要に貢献できる知恵は新規参入企業にとってチャレンジというだけでなく、シェアを伸ばす機会でもある。品質改善のキーとしてマシンビジョン設備は勢いよく発展しており、参入企業が増加。技術革新としてCISが登場し、マシンビジョン領域の「新要素」として台頭しはじめている。CIS技術は長期に渡ってバンキング用途で大きな識別効果を発揮している。近年、マシンビジョン領域の発展に伴い、この技術が徐々に産業用市場、さらにはリチウム電池領域にも突入した。ここで避けてはならない一つの会社-WHECである。

1985年、日本のFAX市場では競争が激化し、それを突破するために三菱電機株式会社が世界初のファクシミリ用コンタクトイメージセンサー(CIS)を開発した。コンパクト、センサーと光源の一体構造、広い読取幅、歪のなさ、高速読取、高精度などのメリットがあるCIS技術は「CCD/CMOS+光学レンズ」といった従来技術を代替できたため、三菱電機のFAXは市場で好評を得た。1990年、三菱電機でCISの量産販売が始まり、その後CIS技術がファクシミリ市場で迅速に浸透したため、CISを使ったFAXは世界のファクシミリ市場の主流となった。CIS技術の発明者は当時三菱電機CIS技術開発プロジェクトの責任者だった澤江哲則氏。彼が率いたチームが開発したCIS技術は今日も業界のスタンダードとなっている。1995年、三菱電機が中国威海で合弁会社(SHEC)を設立し、澤江哲則氏は技術リーダーとしてCIS技術を中国に導入した。2003年、澤江哲則氏を総経理とする威海華菱光電股份有限公司(WHEC)が設立され、CELL方式特殊用途CISの専門製造を始める。CIS技術の蓄積及び応用アプリケーションのおかげでWHECは徐々に市場に認知されるようになった。国家プロジェクトを成功に導き、紙幣読取用CIS及び大型工業用カメラの量産まで実現させてきた。CIS技術の進歩と発展に伴い、CISがバンキング用機器、医療用機器、工業用検査設備などの市場へ普及しつつある。従来のCCD製品が満足できない検査用途にも使用できるため、一部の市場ではCCD製品の代替として導入が実現している。CIS技術の先駆者及びリーダーとして、WHECのCIS製品はバンキング機器市場では国内で約90%、海外でも60%以上のシェアを獲得している。また半導体製造や医療、食品など様々な市場でシェアを増やしつつある。

2. リチウム電池業界に進出したきっかけ

マシンビジョンの市場規模が拡大しはじめ、CIS技術は日韓リチウム電池の大手に注目された。リチウム電池メーカーからの性能、品質管理、生産効率に対する要求の高まりにより、マシンビジョン設備は2015年以降リチウム電池製造の多くの中核プロセスで重要視されるようになった。当時、オンライン検査における画像の取得にはCCDラインカメラを使用するのが一般的だった。小さな領域の検査の場合はCCDエリアカメラを使用していた。一方で問題だったのが、

1. エリア/ラインカメラはレンズが外付けのため、検査対象から一定の距離が必要で設置スペースが取られる。ユニットの重量や固定方法が制限されるため、振動などの設置環境の影響を受けやすく取得画像にも反映されてしまう。
2. 多数のラインカメラを設置する場合、さらにスペースが必要で電力も増大する。また読取画像の歪みやブレも発生しやすいため、カメラの角度やレンズの位置を常に調整しなければならず、検査効率に影響を及ぼす。

従って、韓国のリチウム電池のトップメーカーはCCD工業用カメラ以外でのリチウム電池の極板やセパレータ検査の解決策を探っていた。このことがきっかけとなり、WHECのCIS技術はリチウム電池検査市場に足を踏み入れた。2018年からWHECは日韓リチウム電池メーカーと共にリチウム電池検査用CIS工業用カメラの開発を始めた。長期に渡る技術検証を経て、WHECのCIS製品はリチウム電池のトップメーカー設備への導入に成功した。塗布、カッティング、巻き重ねやスライド積層から後工程の外観検査にまで、ほとんどのプロセスへの導入を実現した。

3. リチウム電池用CIS工業用カメラのメリット

1. CCDライン/エリアカメラに比べ、WHECのリチウム電池用CIS工業用カメラの特徴は下記にあげられる。コンパクトで取り付けが簡易。光源、レンズ、ICが一体となっており、設置場所の制限が少ない。同時に、軽量化設計のため安定しており機械の振動に影響されにくい。
2. 近距離での画像読み取り、高精度検査がおこなえる。対象物との検査距離を0.9mm~29.3mmに設定可能で、片面及び両面のオンライン検査に適している。光源が対象に近いので、対象物を均一な輝度で照射することができる。さらに光源角度も自由に変えることができるため、塗布の欠け、穴、異物、損傷、しわ、凹凸、削りあとやハリなどの微小な欠陥検出に適している。

CIS工業用カメラ

3. 高精度1:1の画像読み取り。1つのユニットでの読取最大幅は1960mmで、画像の歪、周辺ボケによる画素の欠陥問題を避けることができるため後処理の負担を軽減できる。
4. 光源内蔵型と光源外付け型の2タイプあり、さまざまなオンライン生産ラインの検査用途にカスタマイズ対応できる。

WHECのCIS工業用カメラは国内でも既にトップクラスのシステムインテグレーターに注目され、国内リチウム電池の生産ライン、セパレータラインに浸透し始めている。

4. リチウム電池業界におけるCISの機会

現在、世界中のリチウム電池メーカーがTWh(テラワットアワー)時代へまい進している。2025年までに生産能力が2TWhを超える見込みである。(下図参照)

製造ラインに対するマシンビジョン技術の必要性が増加する中、中国ではリチウム電池関連の市場規模が2017年に1.37億元だったところ、2025年には56.4億元にまで伸びることが期待できる。GWh(ギガワットアワー)からTWhへの情勢変化に伴い、生産キャパ、製品品質、生産効率に対する要求も徐々に引き上がっていくため、新プロセスや新技術の導入も期待されている。リチウム電池検査用途へのマシンビジョン設備の導入が拡大していけば、市場成長が期待できる。WHECを代表とするCIS企業は、新しい市場機会を得ることができる。

TWh時代の中、CISにとってより多くの機会が待っているかもしれない。

中国の大手業界サイト「高工リチウム」