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CISラインカメラ選定時のポイント
― 解像度・読取幅・照明設計 ―

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製造業において、品質を安定的に確保するために欠かせない工程の一つが「検査」です。検査のうち、表面検査や外観検査ではエリアカメラやラインカメラ、業界によっては目視での検査が一般的です。近年、マシンビジョンにおいて大掛かりなカメラシステムでの検査に代わり、下記のような特徴を持つCISラインカメラが有力な選択肢の一つとして広く検討されるようになっています。

・  コンパクト構造
・  カメラ、レンズ、光源の一体型設計
・  1:1光学系による歪みのない画像取得
・  安定性や振動耐性に優れている

検査精度の向上に加え、システムのコンパクト化などの効果を得るためには、CISラインカメラの特性を最大限に活かした適切なカメラ選定が重要です。CISラインカメラの特性を正しく理解し、用途に適した仕様を選定することがポイントとなります。本コラムでは、CISラインカメラを検討する際に押さえておきたい基本的なポイントを整理します。

1. 選定ポイント① 解像度

カメラを選定するにあたり、最も基本的な指標は解像度です。一般的なカメラではセンサーの画素数(pixel)を基準に解像度を表現することが多いのに対し、CISラインカメラではdpi(dots per inch)が解像度の指標として用いられます。必要な解像度は下記のように求められます。

①-1:欠陥サイズから選択する場合
異物やキズ、汚れ等の表面検査をしたい場合、最小の欠陥サイズから必要なdpiを計算します。
【換算式】
必要dpi = 25.4 ÷ 欠陥サイズ(mm) x 2 *
(例)45㎛の欠陥を検出したい場合:25.4÷0.045×2=1120 = 1200dpi相当
*欠陥を検出するには、欠陥サイズ÷2ピクセル以上の解像度が必要とされています。
①-2:検査物のサイズから選択する場合
寸法測定や形状の検査をしたい場合、対象物の寸法から必要なdpiを計算します。
【換算式】
必要dpi = 必要ピクセル数x 25.4 ÷ 読取幅(mm)
(例)340mm幅のシートを4K程度で検査:4000x 25.4÷340=298.8 = 300dpi相当
なお、通常のレンズは解像度に合わせてレンズを選びなおす必要がありますが、CISはレンズを変更する必要がなく、1台で解像度の切り替えが可能です。
解像度とピクセルサイズ
解像度(dpi) ピクセルサイズ(㎛)
300 84
600 42
1200 21

2. 選定ポイント② 読取幅

一般的なカメラとは大きく異なるのが読取幅です。CISラインカメラはセンサーチップを一列に並べた構造になっており、そのセンサー全体の長さがそのまま読取幅になります。そのため、レンズと撮像距離の組み合わせによって視野を調整する一般的なカメラとは異なり、CISでは検査対象の幅に応じて適切な読取幅のカメラを選定する必要があります。例えば、検査対象の幅が300 mmの場合、その幅をカバーできる読取幅のCISカメラを選ぶことで、対象物全体を一度に読み取ることが可能になります。視野を光学条件で調整する必要がないため、装置設計において撮像範囲を比較的シンプルに決定できる点もCISの特徴の一つです。

CISは1:1の光学系を採用しているため、読取幅と実際の撮像幅が一致しやすく、視野設計が直感的に行いやすいという利点があります。装置レイアウトや搬送幅、検査対象のサイズを事前に整理しておくことで、適切な読取幅のCISラインカメラを選定しやすくなります。さらに、読取幅のバリエーションを活用することで、大型の検査対象に対しても1台のカメラで対応できるケースがあります。複数のカメラを組み合わせる構成と比較して、装置構成をシンプルにできる可能性があり、システム設計の自由度を高める要素の一つとなります。

3. 選定ポイント③ 照明設計

表面検査の検査精度を上げるために光源は非常に大切な要素です。検査物の反射率・透過率や材質によって適切な照明条件を選択する必要があります。CISラインカメラは従来、センサーと一体化した光源を内蔵している構造が一般的です。内蔵光源は撮像領域に対して均一な照明を提供できるため、装置設計をシンプルにしながら安定した撮像環境を構築しやすいという特長があります。搬送ライン上で連続的に検査を行う用途では、照明とセンサーの位置関係が固定されることで、再現性の高い画像取得が可能になります。

一方で、検査対象や欠陥の種類によっては、照射角度や光の拡散方法を調整し、外付けの照明を用いて最適な照明条件を構築するケースもあります。そのような用途に対応するため、近年では光源を内蔵しない「光源レスタイプ」のCISカメラも提供されています。外付け照明と組み合わせることで、照射角度や光学条件を調整し、検査対象に適した照明環境を設計することが可能になります。


照明設計を検討する際には、ワーキングディスタンス(WD)も重要な要素の一つです。CISラインカメラは元来、対象物に密着して読み取る構造を特徴としており、ガラス面から対象物までの距離が0.5 mm以下と非常に短いモデルが主流でした。しかし近年は光学設計の進展により、WDを数十ミリメートル程度まで確保できるモデルも登場しています。これにより、照明装置を配置するスペースを確保しやすくなり、斜光照明や拡散照明など、用途に応じた照明手法を組み合わせた検査設計が可能になってきています。

照明を検討する際には光の波長も重要な要素です。白色光に加え、RGB、赤外(IR)、紫外(UV)など、さまざまな波長の光が利用されています。例えば、表面の微細な凹凸を強調したい場合や、特定の材料だけを強調したい場合など、検出したい欠陥の特性によって適した波長が異なります。このように、照明条件と光学構成の組み合わせによって欠陥の可視化は大きく変化します。検査対象の特性と検出したい欠陥の種類を整理したうえで、照明方法、波長、作動距離の関係を総合的に検討することが、安定した検査性能を実現するための重要なポイントとなります。

まとめ

CISラインカメラは、検査条件と設計制約を明確にすることで、その特長を最大限に活かすことが可能です。適切な解像度設計、読取幅の検討、照明選択を行うことが重要です。構想段階からこれらのポイントを整理することで、装置全体の設計効率向上につながります。
WHECでは、解像度、読取幅、光源内蔵/レス、WDの他、インターフェースや外形寸法など多くの項目でカスタマイズ提案が可能です。専業メーカーとしてご要望から最適なCISラインカメラをご提案いたします。CISカメラの無料貸出やワークをお送りいただき弊社でのテスト撮像も行っております。選定にお悩みの場合はぜひご相談ください。

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